▶ボルドーワイン
フランスを代表するワインの一つ「ボルドーワイン」。ぶどうの品種を単独で使用せず複数のぶどう品種をブレンドし、複雑で豊かな味わいに仕上げているのが、この「ボルドーワイン」の特徴です。混合の割合は、生産地区や作り手によっても微妙に変わることから、それぞれに味の違いが生まれ、ワインの個性が際立つようになっています。ぶどうの自然の旨みを手間と時間をかけて最大限に引き出すことが、この土地のワインが、味わい深くなった所以です。
ボルドーでも白ワインを造っていますが、赤ワインの割合が圧倒的に多く「ボルドーのワイン」生産量のうち、8割以上を赤ワインが占めています。赤ワインの特徴は、若いうちは力強く渋みがあること、但し、熟成させることによって旨みがまし、落ち着いた味わいに変化していきます。
ボルドーでは、ワイナリーのことを“シャトー”と呼びます。シャトーではワインの試飲もできますので、ボルドーにいらっしゃったらぜひシャトー巡りをお楽しみください。
▶シチリアワイン
昔から一大生産地として知られていたシチリアですが、ここ十数年でシチリアの優れたポテンシャルが再認識され、量ばかりでなく質においてもイタリア屈指のワイン産地となりました。“高級ワインは、冷涼で厳しい気候によって造られることで複雑な香りや味が醸し出される”というイメージがあります。そのため、地中海と太陽に恵まれた南イタリアのワインと言えば、気軽に飲める庶民ワインという位置づけでしたが、シチリアにある標高の高い山々や斜面、平坦な土地など多彩な地形に生産者たちが注目、今では良質なワインが造られるようになりました。
白ワインが約6割、赤ワインが約4割と、白の生産量がやや多めですが、地元では魚に白、肉に赤という感覚はなく、シチリアワイン全般がシチリア料理全般にぴったりといった具合です。
白ワインの特徴は、南の産地らしくたっぷりとした果実味がありながら、フレッシュな酸味を備えています。主な栽培地はマルサラ一帯で、海岸沿いにメッシーナまで広がっています。スプマンテから、辛口、デザートワイン、マルサラ・ワインまで、バラエティ豊かなタイプが揃うシチリアの白ワインをお楽しみ下さい。
太陽の恵みをたっぷりに浴びた豊かなボデイと素朴な風味。そして何より、変化にとんだ地形がもたらす多様性がシチリア赤ワインの魅力です。穏やかな平地と、標高1000メートルを超すエトナ山の急斜面に広がる畑では、たとえ同じ品種を用いても、ワインの味わいは大きく異なります。高級ワインが造られるようになると、シチリアの庶民的なワインも洗練され、しっかりとした品質を保ちながら気軽に日常に楽しめるワインとなってきました。シチリアの街々にはワインをグラスオーダーできるエノテカがありますので、お気に入りのワインを探してみてはいかがですか。
▶キャンティワイン
赤ワインの産地として「キャンティ」という名が公式文書に登場するのは1404年。そして、トスカーナ大公が「美味なるワインの産地」としてその生産を保護下に置いたのは1716年と、中世の頃からすぐれたワインの産地としてその名を馳せた「キャンティ」。ここで造られる「キャンティ」や「キャンティ・クラシコ」は、深く濃いルビー色とフルーティな酸味が特徴の軽めの赤ワインで、イタリアでは最もポピュラーなワインです。そのフレーバーはしばしば、オレガノやバルサミコ、スライスしたサラミなどに例えられ、トマトベースにハーブを効かせた肉料理やピザ、オリーブオイルとの相性も良いです。
なかでも「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」は世界的にも評価が高く、バローロやバルバレスコとともにイタリア3大ワインのひとつに数えられています。また、白ワインはトレビアーノ種を使ったものが中心で、黄金色に透き通った辛口ワインが多く作られています。
▶ランブルスコワイン
イタリア中部エミリア・ロマーニャ州を主な産地とする伝統的な微発泡のワイン。軽やかなルビー色で独特の香りを持つ軽口の赤ワインです。味わいは甘口のデザートワインタイプから辛口タイプまでありますが、地元では辛口タイプがよく飲まれています。
主な生産地はマントヴァ、モデナとレッジョ・エミーリアで、この地域は農業や畜産も盛んで美食の都としても知れています。特に生ハムやサラミ、チーズ王様と呼ばれるパルミジャーノ・レッジャーノが有名です。この地域を代表するボロネーゼなど味付けの濃い料理や肉料理に、フレッシュな酸味と細かな泡で、のどごしの良いランブルスコワインはさっぱりとおいしくいただける食にあったワインです。