アーモンドの花が壮大な神殿の谷を彩るアグリジェント
毎年2月になると、日本の桜に似た淡いピンク色をしたアーモンドの花が、アグリジェントの神殿の谷に咲き始めます。シチリアの春の訪れです。その花の美しさは、イタリア全国版の新聞でも紹介されるほど。
島の南部、地中海を望む丘の中腹にあるアグリジェント。丘の麓には、島内に残るギリシア植民地時代の遺跡の中でも最もスケールが大きいと言われる古代遺跡群が広がっています。古代ギリシア、ローマ時代では、太陽が昇る「東」は新たな人生の誕生、日が沈む「西」は人生の終わりと結び付けられていました。そのため、神殿はすべて正面が東向きに建てられています。そんな遺跡群の合間を埋めるように、オリーブやピスタチオ、そしてアーモンドが茂り、開花時期になるとほんのり色づき、穏やかな春の絶景を楽しませてくれます。
太陽に愛された島シチリア”随一のリゾート地タオルミーナ
限りなく青いイオニア海と雄大なエトナ山。カターニアまで続く美しい海岸線。目に入る景色そのものがまさに癒しのリゾートタウン、タオルミーナ。古代から保養地として知られ、現代に続くこの街はいまも夏は避暑地、冬は避寒地として多くの観光客が訪れています。メインストリートのウンベルト通りには、カフェやお洒落なブティック、ブランドショップも並び、そぞろ歩くだけで華やいだリゾート気分にしてくれます。
シチリアで2番目に大きい古代劇場「ギリシャ劇場」からは360度の展望が楽しめ、夏にはイオニア海とエトナ山を背景に演劇、バレエ、コンサートなどの催しものが行われています。ウンベルト通りの中ほど、狭い路地が開けると見晴らしのよいテラス「4月9日広場」が広がります。眼下には弧を描く海岸線のパノラマが広がり、眺望とともに開放感あふれる場所です。
海岸には、映画「グラン・ブルー」のロケでも使われた「美しい島」という意味の「イゾラ・ベッラ」や、夏のシーズンには色とりどりのパラソルが並ぶマッツァーロビーチがあり、リゾート気分が満喫できます。ゆったりとタオルミーナの太陽と青い海の景色に浸る、そんな大人のヴァカンスはいかがですか。